金曜日の夜、オフィスのパソコンをおとすと、ふっと肩の力が抜けるのを感じます。
まっすぐ家に帰るのも良いけれど、一週間分の張り詰めた心をリセットしたくて、愛車のキーを手に取って出発。
今回は、週末を迎える前の静かなナイトライドと、星空を見上げるためのささやかな寄り道についてお話しします。
街のネオンを背にして。一週間の疲れを風に流す夜
名古屋の街の中心部は、夜になっても明るい光に包まれています。
ビル群の窓から漏れる明かりや、車のテールランプの赤い波。
そんな賑やかな景色をバックミラーに映しながら、少しずつ街の喧騒から離れるルートを選んでバイクを走らせます。
ヘルメットのシールド越しに感じる夜の空気は、昼間とは違うひんやりとした重みを持っています。
エンジンの規則正しい鼓動と、風を切る音だけが耳に届く時間。
複雑なデザインのレイアウトや、打ち合わせでの言葉のやり取りなど、頭の中でぐるぐると回っていた思考が、夜風と一緒に少しずつ後ろへと流されていくのを感じます。
ただ「走る」というシンプルな行為が、こんなにも心を平穏にしてくれるのだと、夜の道に出るたびに気づかされます。
エンジンを切った先の暗闇。星空が広がる静寂の場所へ
街の灯りが届かない郊外の高台まで、ゆっくりと40分ほど走らせます。
ここは、私が星を見たいときに訪れる、とっておきの場所です。
安全な場所にバイクを停めてエンジンを切ると、辺りはふっと深い暗闇と静寂に包まれます。
「チン、チン」と、熱を持ったマフラーが冷えていくかすかな音だけが響く空間。
ヘルメットを脱いで空を見上げると、街中では見えなかった無数の星たちが瞬いているのが分かります。
広がる星空を前にすると、一週間のちっぽけな悩みなんて、本当にどうでもいいことのように思えてくるから不思議ですね。
長いシャッターが開く時間。ブレさえも愛おしい夜景スナップ
星空の美しさにしばらく見とれた後、リアシートにくくりつけていた小さな三脚をそっと広げます。
夜の撮影は、昼間のように思いついた瞬間にシャッターを切ることはできません。
絞りを開放し、シャッタースピードを何秒も長く設定して、じっと光を取り込むのを待つ必要があります。
暗闇の中でピントや構図を合わせるのは難しく、時には星の軌跡がブレてしまったり、全体が少しぼやけてしまうことがあるからです。
でも、その「思い通りにならない難しさ」すら、夜景スナップの面白さだと感じます。
モニターに映し出された、肉眼では見えない微かな星の光や、青みがかった夜空のグラデーション。
完璧な一枚でなくても、その静寂の中でシャッターが開くのを待っていたという時間そのものが、愛おしい記録として残っていくのです。
週末前の数時間、日常から少しだけ離れて夜の静寂に身を委ねるナイトライド。
あなたも今度の金曜日の夜は、星の光を探しに少しだけ遠回りをしてみませんか。
きっと、清々しい気持ちで新しい週末を迎えられるはずです。


